Report 2007



イリス音楽の集い
栗橋町総合文化会館イリスホール(埼玉)  平成19年2月18日

加 藤 良 一 (2007年2月23日)


 イリスホールの自主事業として、栗橋町周辺の音楽団体を集めた「音楽の集い」が開かれ、男声合唱団コール・グランツも出演した。
 この集いには、ブラスバンド(栗橋東中学校吹奏楽部)、弦楽アンサンブル(埼玉中央フィルハーモニーオーケストラ)、そして合唱の合わせて7団体が参加した。



男声合唱団コール・グランツ


イリス女声合唱団






弦楽と合唱のコラボレーション

イリス・プライマリーコンサート

 栗橋町総合文化会館イリスホール(埼玉県) 2007年1月28日

加 藤 良 一

 

 イリス・プライマリーコンサート、弦楽と歌唱とのコラボレーションと題するレクチャー・コンサートが開かれ、男声合唱団コール・グランツが賛助出演した。レクチャー・コンサートというのは、楽曲や楽器に関するいろいろな解説をしながら聴いてもらうコンサート方式で、やや啓蒙的、教育的な要素があるコンサートのことである。
 幕開けは、日本フィルハーモニー交響楽団の弦楽四重奏によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74「ハープ」。弦楽四重奏はかなりのクラシック音楽フアンでもなかなか聴く機会がすくないジャンルのように思う。
 そこで、各楽器ごとのキャラクターや役割を楽器を使って解説し、そのうえで曲を聴いてもらうことで、ちょっと取っ付きにくい弦楽四重奏に対する理解を深めてもらおうという趣旨である。あらかじめ基礎知識をもって聴くことで、知らない曲でも十分楽しめるのではないだろうか。
 第二ステージは、栗橋町在住のピアニストとの共演による弦楽器のソロ演奏。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロがそれぞれ「クライスラー/愛のよろこび」、「フォーレ/夢のあとに」、「サン=サーンス/白鳥」を演奏した。
 最後のステージは、弦楽四重奏と男声四部合唱とがコラボレートするちょっとした試み、お遊びであった。コラボレーションとは、協業とか協働とかいわれるが、異なるものが一緒になってひとつのものを創り出すことを指している。

 まずは、男声合唱だけで勇壮な「最上川舟唄」を歌い、ついで誰もが知っている「里の秋」を初めに弦楽四重奏で演奏し、引き続き男声合唱だけがまったく同じ楽譜を使ってア・カペラで歌った。聴衆がどれだけ納得したかは定かではないが、同じ楽譜を使うことで楽器が「歌う」ことを感じとれたであろうか。これは、ホールの責任者である柿沼さんが以前から温めてきた、そもそも「楽器が歌う」とはどういうことなのかという疑問を実際に確認してみたいと実験に及んだものなのである。
 「里の秋」で弦楽器が歌うというのはそういうことなのかと理解してもらったうえで、つぎは男声合唱と弦楽四重奏が一緒に演奏する「荒城の月」に移った。
 「とても、暖かいアットホームな演奏会。男声合唱の「荒城の月」を聞いた時、会場に響く低音の素晴らしさに、オバサンは不覚にも涙腺がジュワリ・・・・いい演奏会だった。」と感動を隠さず漏らしてくれたのは、団塊の世代の応援サイト<元気埼玉>を運営するミューおばさん。

 たしかに、聴くほうはそうだったかも知れない。しかし、あの「荒城の月」の低音は、じつは男声合唱としては異例の低さで、どのパートもとても苦労したのである。トップテナーのもっとも高い音でも五線譜の中の上のレまで、下は五線より下のシまで、セカンドテナーに至っては五線の一番下のファ♯から五線より下のラ♯を鳴らし続けるという厳しいもの。バリトン、バスは押して知るべし。どこを聴いても低音のオンパレード、まちがっても普通の男声合唱曲にはありえない音符が散りばめられていたが、意外にもどっしりした「荒城の月」となって聴こえたようである。

 


   

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